コンプライアンスとは?法令・社内ルール・倫理と職場の確認例
公開: 2026/07/02 ・ 最終更新: 2026/10/07 ・ 著者: 与謝秀作
コンプライアンスを法令・社内ルール・倫理に分けて確認。ガバナンスとの関係、経費や情報の架空ケース、相談時の記録テンプレートを解説します。

公開: 2026/07/02 ・ 最終更新: 2026/10/07 ・ 著者: 与謝秀作
コンプライアンスを法令・社内ルール・倫理に分けて確認。ガバナンスとの関係、経費や情報の架空ケース、相談時の記録テンプレートを解説します。

コンプライアンスは、仕事で守るべき法令やルールに従うことを指し、企業では倫理や社会からの期待も含めて使われる場合があります。確認するときは、法令、社内規程、倫理上の判断を分け、「何に従う必要があるか」を具体的にしましょう。倫理上の問題や社内ルール違反が、そのまますべて犯罪になるわけではありません。
同じ行動に複数の観点が関わることがあります。たとえば顧客情報を外部へ送る場面では、取り扱う情報、契約、会社のルール、必要な許可などを確認します。「常識で考える」だけでも、「規程に書いていないから自由」だけでも十分に判断できない場合があります。
観点 | 確認する資料 | 確認先の例 | 判断の限界 |
|---|---|---|---|
法令 | 対象となる現行法令・公的案内 | 法務・公的相談窓口など | 事実や要件により判断が異なる |
社内規程・契約 | 就業規則、経費・情報管理規程、契約 | 人事・経理・業務責任者など | すべての会社で同じ規則とは限らない |
倫理・対外説明 | 行動指針、顧客との約束、説明内容 | 責任者・相談窓口など | 法令違反かどうかとは別の検討 |
この3区分は職場で確認を進めるための整理です。法令の義務と会社が独自に定めた手順を同一にしないこと、倫理の議論を犯罪の認定として扱わないことがポイントです。対象が不明なまま「コンプライアンス違反」と決め付けるより、事実と未確認点を整理します。
言葉 | 実務で確認すること | 具体的な問い |
|---|---|---|
コンプライアンス | 守るべき要求に沿って行動しているか | この送付は規程と契約に沿うか |
ガバナンス | 方針、意思決定、監督と説明の仕組み | 誰が方針を決め、実施を確認するか |
内部統制 | 業務の手順・確認・記録などの仕組み | 送付前の確認や権限管理はどうなっているか |
これらは重なる部分があります。コンプライアンスを守るための仕組みが内部統制の一部になることもありますが、ガバナンスを単に社員を従わせる活動と説明するのは狭すぎます。JPXのコーポレートガバナンス・コードは上場企業に関する確認先であり、すべての非上場企業に同じ規則が一律適用されると読むものではありません。
次のケースは実在企業の不祥事ではなく、相談の仕方を練習する架空例です。この情報だけで違法性や処分を決めるものではありません。
ケース | 確認できた事実 | 未確認事項 | 最初の対応 |
|---|---|---|---|
経費 | 私用と業務用が混ざった領収書がある | 精算対象と分け方、承認方法 | 経理へ用途と金額を伝え、対象を確認 |
情報送付 | 顧客資料を外部協力者へ送る依頼がある | 共有許可、契約、送付手段、必要範囲 | 担当者に共有範囲と承認を確認 |
勤務時間 | 申告時間と手元の記録が異なる | 実際の勤務、休憩、記録方法 | 日時と作業を整理し、人事等へ照会 |
SNS・画像 | 業務画面の画像を投稿したい | 機密、個人情報、利用許諾、社内方針 | 投稿前に資料の扱いと権利を確認 |
勤務時間の例では、実際に働いた時間を正しく伝えて賃金を確認することと、働いていない時間を申告することを分けます。記録の違いだけで誰かの不正と決め付けず、端末ログや作業記録だけでは把握できない時間があるかも確認します。
画像の例でも、「許可がない利用はすべて同じ違反」と一律には判断しません。誰の資料か、どの権利や利用条件が関わるか、許諾済みの範囲はどこかを確認します。社内で見る許可と公開する許可は同じとは限らないため、目的を分けて相談しましょう。
急ぎの指示でも、内容が曖昧な場合は「どの条件なら進めてよいか」を確認します。規程の変更が口頭だけで伝えられた場合は、正式な案内や責任者を照合してください。相談記録は必要な範囲で、認められた保存先に残します。
日時・業務:__
依頼されたこと/確認できた事実:__
参照した規程・契約・案内:__
判断できていない点:__
関係する人・情報・金額など:__
確認したいこと:__の条件で実施してよいか
必要な対応の期限:__
回答・担当者・次の確認:__
たとえば「顧客一覧を協力会社へ送る依頼がありました。共有の承認と対象列が未確認です。送付してよい範囲と方法を確認したいです」と書けば、断定した告発ではなく、判断に必要な情報を伝えられます。不要な顧客データそのものを相談文へ添付せず、窓口が必要とする資料の渡し方を確認します。
疑問を相談することと、公益通報者保護法の対象となる通報は同じとは限りません。保護の対象は、通報の内容、通報先、要件などを確認する必要があります。消費者庁のQ&Aを公式の確認先とし、すべての社内相談やSNSでの公開が自動的に法的保護を受けるとは考えないようにします。
直属の担当者に相談しにくい場合は、社内で案内される別の窓口や公的相談先を確認します。誰が受け付けるか、どこまで情報が共有されるか、回答の進め方はどうなるかを、利用する窓口の案内で確かめてください。個別の違法性や保護の適用を、一般的な例だけから決めることはできません。
窓口や研修があるだけで、すべての問題が起きないとは保証できません。一方で、ひとつの情報だけから企業全体を違反企業と判断することも避けましょう。制度の説明と実際の利用方法を確認し、自分が業務を進めるときに使える情報を集めます。

2026/10/22
会社都合退職を面接でどう伝える?事業所閉鎖後の説明と確認質問会社都合退職後の面接準備に。事業所閉鎖・部門廃止の経緯と自分の経験を分ける方法、回答例、追加質問、提出資料の確認と次の職場で聞きたい項目を紹介します。

2026/10/12
転職回数が多い人の職務経歴書|複数社のまとめ方と記入例転職回数が多い人向けに、複数社の職務経歴書のまとめ方を解説。全社の一覧、逆編年体・キャリア式の選び方、3社の架空記入例、共通技能の整理、短期離職と重複期間、提出前の照合を紹介します。

2026/10/12
転職の適性検査対策|SPI・クレペリンの違いと受検前の準備転職の適性検査対策を中途採用の受検者向けに解説。SPIの能力・性格検査とクレペリン検査の違い、能力問題の学習手順、検査名・方式・期限の確認、前日と当日の準備を公式情報とともに紹介します。